4月19日


目の前の事柄の向こう側にあるもの!

私たちの生活は、どうしても目先の物事に振り回されてしまうものです。4月を迎え、新年度の毎日が始まったあなたの生活も目の前の事柄をこなすためにドタバタしておられるのではありませんか?…少しでも早く新しい仕事に慣れなくては…、新しい学校で早く友だちができれば良いなぁ…、子どもたちの進学、進級で生活のリズムが変わってドタバタ続きなのが少しでも落ち着けば良いなぁ…と。そういう私もいつも新たなメッセージを生み出すために世の中の話題に注目していますし、教会の集会や行事の計画を動かすためには、もう毎日がドタバタそのものなのです。

 去る3月21日、一人のボクサーが天に召されました。ジョージ・フォアマン。76歳。貧しい黒人家庭出身で、19歳で出場した1968年のメキシコ五輪のボクシング・ヘビー級で金メダルを獲得。プロに転向し、破竹の勢いでランキングを駆け上がり、24歳で世界チャンピオンに。“象をも倒す”と言われた、歴代屈指のハードパンチャーでした。しかし、その翌年、アフリカのコンゴ・キンシャサで、32歳で復帰を目指すモハメド・アリとの防衛戦で、フォアマン圧倒的優位の予想の中での劇的なKO負け…いわゆる“キンシャサの奇跡”の引き立て役となってしまいます。敗戦後、復帰を目論むものの、なぜかチャンピオンにまでは到達できず、“神と出会った”と28歳で引退。いきなり、牧師となる道を歩み始めます。元々、不器用で、経済は困窮。“拳で稼ぐしかない!”と、38歳でリングに復帰。しかし、“本業は説教者!”と教会の働きを継続しつつ、復帰後、3度目の世界王座挑戦で、45歳で世界チャンピオンに返り咲いた伝説のボクサーです。

 “強い時は、何も考えてなかった…”と、獰猛な野獣のような目をしていた若い頃を、彼は振り返っていました。しかし、彼は大きな敗戦をきっかけに主キリストと出会い、主のしもべとして生まれ変わり、生涯を全うしました。復帰後の彼の目は、ずっと優しい光を放っていました。貧しい人々が救われるようにと何億円もの献金を続け、信仰を子どもたちに委ねて、天に召されました。勝つことしか考えられなかった目先の世界でなく、その向こう側にある世界を主キリストによって見せられ、彼の人生は変えられたのでした。今日は、イースターの礼拝です。救い主イエス・キリストが、死を超えるいのちがあることを自らの復活で証明してくださったことを祝う一日です。あなたの人生の歩みにも、目先の事を超える、より深い永遠のいのちに繋がる世界が広がっていますように。忙しい毎日だからこそ、永遠のいのちの保証が大事なのです。