私たちの都合を越えて踏み込む信仰

1:17-21神はこの四人の少年に、知識と、あらゆる文学を悟る力と知恵を与えられた。…そこで彼らは王に仕えることになった。3:13-18…シャデラク、メシャク、アベデ・ネゴはネブカデネザル王に言った。「私たちはこのことについて、あなたにお答えする必要はありません。…神は私たちをあなたの手から救い出します。しかし、もしそうでなくても、王よ、ご承知ください。私たちはあなたの神々に仕えず、あなたが立てた金の像を拝むこともしません。」                                                   ダニエル書1章17節~21節, 3章13節~18節   

公務員の退職金の計算式が変わることになり、二千~三千万円ほど出そうな退職金が、百万円少なくなる前に、年度途中で退職する先生が続出して話題になっています。しかし、単にお金のためだけでなく、真心を尽くして命懸けで取り組める大きな価値を持って働く方が幸せな人生だと思います。
今日の聖書の箇所は、ダニエルを含む有名な4人の青年が登場します。ユダ王国は、不信仰のゆえに古代バビロニア帝国に滅ぼされ、優秀な人物はバビロンに捕虜として連行されます。絶対的な権力を誇る当時の王ですが、統治能力もあったのでしょう。優秀な人物なら捕虜からも登用しました。その中にこの4人のイスラエルの青年がいたのです。

1.神につながる知恵と悟りを与えられる

テレビで行列のできる法律相談などがありますが、そこで教えられることは、訴えればいくらもらえるかという損得勘定ばかりです。しかし、人間関係はそれでは修復しません。むしろ、相手を理解し受け入れ赦し愛することです。人生の幸せのためには、法律ではなく神の知恵が必要です。
クリスチャンになると、過去のとらえ方まで変わります。そのときは確かに試練だったが、それによって強くされ、成長させられたと、自分の生い立ちを感謝して振り返ることができます。現在と未来も、仕事、お金、人間関係、奉仕など、自分だけで悩むのではなく神による知恵を与えられましょう。そのためには、御言葉を読んで祈ることです。
最近辛いのは、病床で生命維持装置を付けられて無理矢理生かされることです。人は必ず死ぬのです。私は牧師として、病のいやしを祈ると同時に、地上の命だけでなく、永遠の命があることを思い出して下さいと語ることがあります。それは、神が聖霊によってその時を悟らせ語らせるからです。
私たちには勉強や偏差値ではなく、神による知識や悟りがあるのですから、この1年、迷うときに神に祈り、霊的悟りを与えられましょう。この4人は若くても、神からの知恵と悟りにより、あらゆる面で他の青年より10倍も優れていたのです。

2.揺るがない信仰のために一歩踏み込む

ネブカデネザルから期待された青年たちは、チャンスと責任を与えられました。彼らも王に一生懸命仕える素直な青年でした。しかし、ただ一つ王が造った金の像だけは拝まなかったのです。王の脅しも拒否します。自分を神と思い込む独裁者に向かっても揺るがない、一歩踏み込んだ信仰により、想像以上のことが起こります。燃える炉に投げ込まれた3人は、神の人のような存在に守られ、出てきた彼らは、煙のにおいさえしませんでした。
彼らが実際に体験した物語が、今の私たちを強めています。世の中の幸せの方程式とは違う神の悟りをいただくことができます。その幸せの秘訣とは、信仰の確信です。私たちも「もしそうでなくても」と、私たちの都合や理屈ではなく、一歩踏み込む信仰、中途半端ではなく、命のある信仰を持つのです。そうすれば、この社会が保証する以上の平安や感謝、喜び、生き甲斐のある人生を神が与えて下さいます。そのために、私たちに命を下さったイエスがいるのです。