救い主の御名
マリヤは男の子を産みます。その名をイエスとつけなさい。この方こそ、ご自分の民をその罪から救ってくださる方です。」このすべての出来事は、主が預言者を通して言われた事が成就するためであった。「見よ、処女がみごもっている。そして男の子を産む。その名はインマヌエルと呼ばれる。」(訳すと、神は私たちとともにおられる、という意味である。)
マタイの福音書1章21節~23節
毎年クリスマスのためのメッセージの準備をするこの時期になると、話題になるのはその年を表すもの。例えば今年の漢字や流行語など、一年を締めくくる話題がたくさんあります。その中の一つに、この一年に生まれた赤ちゃんに付けられた名前でどんな名前が多かったのかという統計があります。2016年の男の子の名前で一番付けられた名前は「大翔(ひろと)」、女の子は「葵(あおい)」だったそうです。一時のキラキラネームと比べると、読みやすい名前で落ち着いてきた印象です。名前と言うのは時代を反映するもので、名前で時代を感じてしまったりする部分もあります。
しかし、時代がどんなに変わっても、社会や生活の有様が変わっても、変わらない大切な名前があります。今日、分かち合いたいのは、私たちがクリスマスの主人公として心の中に受け入れる救い主イエスの名前です。
1.イエスという名
ヨセフは夢で、許嫁(いいなずけ)のマリヤを妻として迎え、生まれる子どもの名をイエスとつけるよう御使いからお告げを受けます。聖書の中での名前は、その人の人となり、いのちの本質まで表す非常に大切なものです。イエスという名前には、「神は救いたもう」という意味があります。この赤ちゃんは、神の御子が人となられ、成長して救い主としての働きをされ、人々を罪の呪いや悪の力から救い出して、喜びと平安と永遠の命をお与え下さるお方でした。「神は救ってくださる」というこの約束と救いの恵みを事実としてこの世にもたらして下さる、救い主なるイエスの誕生。この約束と恵みに感謝しましょう。イエスという名には、私たちにとってかけがえのない、尊い意味が込められているのです。
2.インマヌエルという名
このクリスマスでお祝いする救い主には、別の名前があります。今日開いた箇所の23節に書かれている「インマヌエル」という名です。その意味は、「神は私たちとともにおられる」です。
神と私たちは、決して縁のない遠くはなれた間柄ではありません。私たちの信じる真の神は、天地宇宙を創られ、この壮大な宇宙よりも大きな力強い神でありながら、私たちとともにいて下さり、私の人生をともに歩んで下さるお方だと聖書は語っています。
人間が生きていく中での一番の不幸とは、「孤独」です。牧師として様々な人の相談にのりますが、そのような方の一番の特徴は、自分が孤独だと思っていることです。孤独を感じると生きていくこともできず、死にたいと思うのです。聖書に、人が一人で生きるのは良くないと書かれている通りです。しかし、神は私たちを絶対に見捨てることはなく、インマヌエルの主がとことんともにいて下さいます。あなたとともにおられる神の恵みを感謝し、神が与えてくれた命という最大の贈り物を喜びましょう。
クリスマスはキリストのご誕生を祝う時。キリストとは、救い主という意味です。この救い主が、ご自身の命を捨ててまでも私たちを救うことを決意して下さったイエスであること。そして、とことんともにいて下さるインマヌエルであることを感謝しましょう。主イエスの名を呼ぶ者は皆救われるのです。この救い主が与えられたことを感謝しましょう。