主のみわざを引き出す忠実さ
ヨッパにタビタ(ギリシヤ語に訳せば、ドルカス)という女の弟子がいた。この女は、多くの良いわざと施しをしていた。ところが、そのころ彼女は病気になって死に、人々はその遺体を洗って、屋上の間に置いた。…ペテロが到着すると…やもめたちはみな泣きながら、彼のそばに来て、ドルカスがいっしょにいたころ作ってくれた下着や上着の数々を見せるのであった。ペテロはみなの者を外に出し、ひざまずいて祈った。…「タビタ。起きなさい。」と言った。すると彼女は目をあけ、ペテロを見て起き上がった。…
使徒の働き9章36節~42節
5月9日の万代恒雄牧師の召天20周年記念の祈祷会と霊園墓前での記念会に沢山の皆様が集ってくださったことに感謝します。この教会の創設者である恒雄牧師は、64才で突然召されてしまいました。しかし、その後、皆様に支えられながら、私も教会を引継ぎ自分なりに頑張って参りましたが、主は真実な方で、私たちの内に始められた御業を本当に完成に向けて更に力強く推し進めて下さっていることを心から感謝します。恒雄牧師から受け継ぐものを改めて確認したいと思います。この伝道者が献身生活の間、告白し続けたのは、「死に至るまで忠実でありなさい。そうすれば、わたしはあなたにいのちの冠を与えよう。」(黙示録2:10)という御言葉でした。自分の思いのままに生き方を変えていくことが流行っているこの時代にあって、主イエスによって救われ使命を与えられた私たちは、死に至るまで神の前にとことん貫き通す忠実さを与えられたいと思います。
今日の聖書箇所から忠実な信仰に働く神の御業に焦点をあててみたいと思います。この箇所の時代背景は、迫害のある厳しい状況の中でありながら、偉大な世界宣教の時代が始まろうとする大切な時にあたります。信仰による忠実さとは…
1.人々に伝わっていく
忠実な信仰には行動が伴い、周りの人々へ愛が伝わっていく、そのことで祈りの輪が生み出され神の御手が動き奇跡が起きるのです。私たちの信仰が忠実かどうかの結果は、周りの人々の中に残ります。タビタが亡くなったとき、誰もが彼女からもらった愛を忘れることができず証しをしました。私たちの信仰の業は、タビタの身に起こったように、周りの人々を通して証しされるものであることをはっきりと知りましょう。
2.仕え続ける姿勢を持つ
やもめたちの言葉は、タビタが人々に仕える姿勢を持っていたことを証ししています。信仰による忠実さとは、人に忠実になることではではなく、神の御言葉に忠実であるということです。ですから、忠実の中心にあるものは、キリストの愛に倣った与える愛、施す愛となって現れることをはっきりと知りましょう。いつも与える愛を持ち、仕える者であるように願っていきましょう。
3.神の偉大な御業を引き出す
信仰の忠実さとは、単なる道徳的な真面目な生き方を言っているのではありません。神の御前に忠実であれば、自ずと仕え、与える愛を現すことになります。それが神の偉大な力まで引き出すことを知りましょう。さらに、タビタのために祈ったのはイエスではなくペテロでした。それは、祈りの強さではなく、信仰の忠実さで起こるのです。そしてその原点は、イエスがとことん私たちを愛して十字架で命まで捨てて下さったところにあります。主の忠実さによって私たちが救われたことに改めて感謝し、その主の真実、忠実さ、誠実さをお与えくださいと祈りましょう。また、タビタの忠実な歩みによって主は奇跡を起こして下さいました。私たちも同じように忠実な信仰によって生きる者であるようにと願いましょう。