善を選び、善を実行しよう

悪をもって悪に報いず、侮辱をもって侮辱に報いず、かえって祝福を与えなさい。あなたがたは祝福を受け継ぐために召されたのだからです。「いのちを愛し、幸いな日々を過ごしたいと思う者は、舌を押さえて悪を言わず、くちびるを閉ざして偽りを語らず、悪から遠ざかって善を行い、平和を求めてこれを追い求めよ。主の目は義人の上に注がれ、主の耳は彼らの祈りに傾けられる。しかし主の顔は、悪を行う者に立ち向かう。」


11月なりました。今日も聖餐の恵みに(あずか)り、これからのひと月を賛美と祈りをもって歩んでまいりましょう。

今日お開きしたペテロの手紙は、1章の冒頭に書かれているように使徒ペテロが、ポント、ガラテヤなどにあった教会に宛てた手紙です。初代教会が置かれていた状況は大変厳しいものでした。

周りには悪が蔓延(はびこ)り、クリスチャン達は迫害を経験しました。捕らえられ、拷問され、殺されることもあったのです。

そんな状況に置かれていた信徒たちに、ペテロは「悪をもって悪に報いず…」という正しい生き方を示し、試練の中にいたキリスト者を励ましたのです。

この御言葉から3つのポイントを確認しましょう。

1.悪ではなく、善を選び取ろう!

ペテロは、クリスチャンに対して悪を行う者に「悪をもって悪に報いず、侮辱をもって侮辱に報いず、かえって祝福を与えなさい」(9節)、「悪から遠ざかって善を行い、平和を求めてこれを追い求めよ」(11節)と語っています。

今の世の中では、圧倒的に悪が溢れているように感じます。普通の若者がお金欲しさに、バイトとして強盗や殺人まで犯しています。また、困っている人に善意を行おうとしても、周りから偽善だと批判され、まっすぐに善意を示すことも難しい。

それだけ、世の中全体が悪と罪の力に傾いているのです。私たちは信仰を持って、善か悪か、二つに一つを選ぶ必要があります。日常生活の中で人の悪口を聞いた時も、そこに加担するのではなく、その人の長所や助けられたことを思い、善を選ぶ必要があります。

私たちは心の中に、はっきりと悪ではなく善を選び取ろうではありませんか。

2. しないのではなく、することを選び取ろう!

心の中で善がわかっていても、何も行動しないで終わってしまうと、悪魔を喜ばせることになります。

「神はみこころのままに、あなたがたの内に働いて志を立てさせ、事を行わせてくださる」とあるように、善いことを思いついたら、聖霊が促してくれたと受け止め、行動に移しましょう。

弱っている人のために祈ったり、慰めたり励ましてあげたい。そんな素晴らしいアイデアが与えられたなら、単に善いことを選ぶだけでなく、それを実行する者となりましょう。

3.主がどんな時も見ていてくださる!

自分の力で行動しようとするのは単なる道徳です。私たちがなぜ善を行うことができるかというと、イエス様の模範があるからです。

イエス様は私たち罪人を救うために、身代わりとなり死んでくださった。なんという善、愛、神の御業でしょう! このイエス様の十字架がお手本なのです。

このキリストの十字架の愛を知り、今、生かされている私たちの命は、イエス様によって与えられている命です。ですから、この命を通して事を起こしていきましょう。

12節に「主の目は義人の上に注がれ、主の耳は彼らの祈りに傾けられる」とあります。義人とは、弱くても神の御心にかなうことをやってみようという人を指します。

主は見ておられます。悪から離れ、善を選び取り、行動していく時に、主は私たちの心の根を見ておられ、祈りを聞いておられます。そして、弱く不完全であっても、栄光から栄光へとキリストに似た者に成長させてくださいます。キリストの十字架の恵みを頂き、この十字架に倣い、前進してまいりましょう。

4. 一つ心で共に過ごす毎日!

46節に「毎日、心を一つにして宮に集まり」とあります。2千年前の彼らは教会も聖書も、クリスチャンの習慣も、何も定まっていませんでした。しかし、彼らには、一つ心で共に過ごす、素朴な毎日があったのです。

今、世の中は“多様性”の時代と言われています。この言葉を、自分の身勝手やわがままを助長する論理として使ってしまうと、社会はバラバラになってしまいます。

教会は一つ心です。共に祈り、賛美し、奉仕しながら活動するのです。私たちは、一つ心で、キリストの体として、頭であるキリストに従って行く者でありたいと思います。

5. 捧げ物で支えられた活動!

45節に「必要に応じて、みなに分配していた」とあるように、彼らは教会や貧しい人のために捧げることを躊躇しませんでした。

パウロが世界宣教に行く時に、アンテオケの教会が捧げたように、福音を宣べ伝えるため、弱い人を支援するために捧げたのです。

信仰は心の中の理想論ではなく現実です。実際の社会の中で生きて働く信仰の現れが教会です。この教会を共に支えていけることを感謝します。

5つの柱を生活の基本とし、シンプルなクリスチャンライフを復活させ、恵まれてまいりましょう。

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