神様の召しに立ち返ろう
次のような主のことばが私にあった。「わたしは、あなたを胎内に形造る前から、あなたを知り、あなたが腹から出る前から、あなたを聖別し、あなたを国々への預言者と定めていた。」そこで、私は言った。「ああ、神、主よ。ご覧のとおり、私はまだ若くて、どう語っていいかわかりません。」すると、主は私に仰せられた。「まだ若い、と言うな。わたしがあなたを遣わすどんな所へでも行き、わたしがあなたに命じるすべての事を語れ。彼らの顔を恐れるな。わたしはあなたとともにいて、あなたを救い出すからだ。――主の御告げ。――」… エレミヤ書1章4節~10節
今回、ビル・ウイルソン先生の世界的な働きであるメトロ・ワールド・チャイルドのフィリピン支部で、若いスタッフたちと伝道させていただきました。フィリピンの貧困ぶりはニューヨークのスラム街のレベルとは違い、想像を絶するものがありました。23才のスイス人、ドミニク兄弟がリーダーのチームで、子供たちの住む貧民窟へ家庭訪問に行きました。彼らは現地のタガログ語で、誰にでも気さくに声を掛け、メトロのスタッフを見つけると、子供たちが集まってきます。ドロドロの子供たち抱き上げ、口づけし、広場で教会学校をする。「良くやるね!」と言うと、「愛すれば良いだけですから」との答え。今回、私は本当に若いスタッフに教えられました。彼らの一生懸命な奉仕の姿を見て、牧師になって30年、改めて神に仕える献身の思いを、受け止め直すことができました。
今日の箇所のエレミヤは、涙の預言者と呼ばれます。神の選民イスラエルが、神に背を向け国が滅びようとする絶望の時期に、神の民に涙をもって預言し、神の愛を語り、悔い改めを説いたのです。偉大な働きをした預言者でしたが、最初からそうだったのではありません。エレミヤがどのように神の御計画に召し出されたか学んでいきたいと思います。
1.母の胎に宿る前から、定めている
なぜ、私みたいな者がと言うエレミヤに対して「わたしは、あなたを胎内に形造る前から知り…預言者と定めていた」とあります。エレミヤは、自分は働きに不適合と思っていましたが、すでに神の選び、神の御計画が動き始めていたのです。この原則はエレミヤだけではなく、神を信じる私たちにも当てはまります。無から有を生み出す神は、エレミヤと同じように、私たちが生まれる前から、私たちの存在を永遠の御計画の中で選び出して下さったのです。今日あなたが教会に来ているのは、たまたまではありません。神の選びの結果、このように神の前に立っているのです。神は深い部分で私たちの人生を導き、御計画を持っておられ、過去の出来事だけでなく、将来の働きに対しても、御計画と導きと御心を持っておられるのです。
2.わたしがあなたと共にいる
私はまだ若くて何もできませんと言うエレミヤに対して、神は、「恐れるな、わたしは常に共にいて、偉大な業をさせる、後ろ盾となる」と約束し、預言者の働きを明確に与えます。神は私たちにも、使命を与えて下さっています。神の恵みと愛をいただいている私たちは、神のために果たすべき使命があるのです。主は命を捨てて、私たちを救って下さいました。それは私たちが、イエスの御心にかなう、豊かな実を結ぶためです。先に救われているあなたが、証しをし、家族の救いを祈りましょう。神から与えられた奉仕のビジョンを思い切って実現しましょう。エレミヤの信仰を保証して下さった主は、私たちにとっても後ろ盾になって下さっています。
ドミニク兄弟は、「こんな罪人の私たちのために、イエスが奴隷の姿となって、愛して下さった。愛されていることがわかったから、目の前の子供を愛するのです。それを喜んですることができるのです」と語りました。神の力を土台として、神の愛を心の支えとして歩んでいく。なんと素晴らしいことでしょう。私たちも初めの愛に返ろうではありませんか。