神が共におられることを知る

ヤコブは…夢を見た。見よ。一つのはしごが地に向けて立てられている。…そして、見よ。主が彼のかたわらに立って…仰せられた。「…わたしはあなたとともにあり、あなたがどこへ行っても、あなたを守り、あなたをこの地に連れ戻そう。わたしは、あなたに約束したことを成し遂げるまで、決してあなたを捨てない。」 ヤコブは眠りからさめて、「まことに主がこの所におられるのに、私はそれを知らなかった。」と言った。…翌朝早く、ヤコブは自分が枕にした石を取り、それを石の柱として立て、その上に油をそそいだ。…                創世記28章10節~22節

ヤコブの生涯を通して、神が共におられることを学びましょう。イサクの子、ヤコブは双子の兄エサウのかかとをつかんで生まれたので、ヤコブ(かかとという意味)と名付けられます。狩りが得意で外向的なエサウと、内向的で抜け目のないヤコブ、2人の決定的な違いは、長子の権利へのこだわりでした。長子の権利が欲しくてたまらなかったヤコブは、ついにある日、空腹の兄と取引をして権利を得ます。そして、兄になりすまして父から祝福を受けます。弟を殺そうとする兄から逃れるため、ヤコブは、母の兄ラバンを頼りに旅に出ます。

1.神様は、祝福の神である

石を枕に眠る夜、ヤコブは、兄への恐怖や、これからの旅の不安を感じたことでしょう。そんな時、夢の中で神の御声を聞きます。「見よ、わたしはあなたとともにあり…この地に連れ戻そう…決してあなたを捨てない」(15節)と。ヤコブは孤独の中に、決して見捨てることのない神が共におられることを知ります。聖書はここで、ヤコブは悔い改めたとは記していませんが、悔い改める者に恵みを与えると聖書は約束していますから、きっとヤコブは、「お父さん、お兄さんに罪を犯しました。どうか赦してください。私を見捨てないでください」と、神の前に悔い改めて祈ったでしょう。神は、私たちが悔い改めて神に立ち返ることを求めておられ、悔い改める者には祝福と導き、全ての良きものを与え続けてくださいます。

2.神様は、選びの神である

当時は、長男が祝福を受け継ぐことが常識でしたが、25章に「兄が弟に仕える」と、神が預言しています。マラキ書にも「エサウはヤコブの兄であったが、私はヤコブを愛した。ヤコブが神に選ばれた者、祝福を受け継ぐ者である」と、はっきり記されています。イスラエルの民が神によって選ばれたように、ヤコブも神に選ばれた者です。ですから、ヤコブがどんなに失敗しようと、神は彼の信仰を整え、悔い改めることができるように導き続けているのです。これは、選ばれた者の特権です。聖書に「あなたが私を選んだのではありません。私があなたを選び…」とあるように、不思議な神の選びによって、私たちも神に選ばれた者なのです。もし間違った道に行ったとしても、神は私に示し、悔い改めさせて正しい道へと引き戻してくださいます。自分は選ばれた者で、何があっても必ず祝福されると信じていきましょう。

3.神の言葉を信じる者に、約束は実現する

神が共におり、連れ戻してくださるという約束を信じたヤコブは、おじのラバンの家に20年間身を寄せます。兄をだました彼が今度はだまされる側に回りますが、その度ヤコブは神の助けと祝福を受けます。家畜も豊かに増えて、多くのの子宝にも恵まれます。恐れていた兄との再会は、まさに神の奇跡でした。神の言葉を信じて生きたヤコブに、約束は実現したのです。ヤコブはどん底の中、決して見捨てることのない神が共におられることを知りました。
私たちも、神によって選ばれた者です。失敗もしますが、神は常に私と共におられます。悔い改めへと導いて正しい道へと立ち返らせ、祝福し続けてくださるのです。主の約束のお言葉を信じ、信仰生活を歩んでいきましょう。