マリヤが受けた3つの恵み

…御使いガブリエルが、神から遣わされてガリラヤのナザレという町のひとりの処女のところに来た。…御使いが言った。「…マリヤ。あなたは神から恵みを受けたのです。ご覧なさい。あなたはみごもって、男の子を産みます。名をイエスとつけなさい。…」…マリヤは御使いに言った。「どうしてそのようなことになりえましょう。私はまだ男の人を知りませんのに。」御使いは答えて言った。「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます。それゆえ、生まれる者は、聖なる者、神の子と呼ばれます。…            ルカの福音書1章26節~38節

教会の暦では、今日からがアドベントです。アドベントとはキリストの到来を待ち望むという意味です。イエス・キリストがこの世に救い主として現れて下さったことを、2000年前の人々のみならず、21世紀の私たちも新鮮な思いで受け止めたいと思います。
先日東京の商店街でアメリカが発祥のブラックフライデーという旗を見ました。このブラックは、「黒字」という良い意味で、大安売りを始めて黒字にしようということです。ハロウィンの次はブラックフライデーという商魂の逞しさと、日本人の新しもの好きを再認識しました。ビジネス界では、数年ごとに新しい流行を作り出さなくてはならない移り変わりの激しい世の中です。しかし、イエスの時代から2000年経っても変わらない救いと祝福を主が約束して下さっていることをこのクリスマスに改めて思い起こし、イエス・キリストのおられる本物のクリスマスを体験しましょう。
今日の聖書の箇所でスポットライトを当てて注目したいのはマリヤです。この箇所を通して、クリスマス全体に流れる、神から私たちへの3つの恵みのメッセージを受け止めましょう。

1.すさまじく大きなサプライズの恵み

天使ガブリエルからのマリヤへの受胎告知は、真にサプライズでした。急に、あなたは男の子を産むからイエスと名付けなさいと言われても、結婚もしていないし男の人を知らないのですから、彼女には全くわけのわからない知らせでした。罪深い人間の側から神を知ることはできません。だから、イエスをマリヤの胎内に宿すという、人間が全く思いつかない方法で、私たち人類を救うために、神の側から動いて下さいました。マリヤが自分で産み出したものや、どこか
の小説家の創作話や、人間の手によるものであったならば、すぐに古びてしまいます。しかし、神の深い愛と御心から生み出された救いのご計画だから、今でも常に神の新鮮な御業によって、その恵みをいただくことができるのです。

2.イエスにより救いは事実とされた

マリヤも許婚(いいなずけ)のヨセフも、イスラエルの子孫であるユダヤ人ですから、救い主の意味がわかるようにと、「ダビデの王位を受け継ぐ者」、そして「いと高き方、神の子と呼ばれる方」が明確に現れるのだと、神からの救いの約束を下さいました。聖書の神が与える救いは、単にあなたの頭で考えたり心で思い浮かべたりするような、不明確な想像力によるものや感覚的なものではありません。それは常に、十字架で罪を背負って死んで下さった救い主イエスと共にあり、否定できないはっきりとした形で私たちの人生にもたらされるものであることを知りたいと思います。

3.神によって私たちに不可能はない

まだ男の人を知らないマリヤを通して子どもが産まれるなんてことはありえません。聖霊の働きによってイエスが産まれてくること。この産まれてきた赤ん坊が、世の罪を取り除く神の小羊であり、私たちの罪を身代りに背負って下さる救い主であること。それは、人間の考えでは、ありえないことばかりです。しかし、それが起こり得るのです。なぜなら、それは神の恵みだからです。神にとって不可能なことは一つもありません。神にある可能性が、弱い私たちに尽きることなく与えられていることを感謝しましょう。