クリスマスに向かう心の備え

ところで、その六か月目に、御使いガブリエルが、神から遣わされてガリラヤのナザレという町のひとりの処女のところに来た。この処女は、ダビデの家系のヨセフという人のいいなずけで、名をマリヤといった。御使いは、はいって来ると、マリヤに言った。「おめでとう、恵まれた方。主があなたとともにおられます。」…「こわがることはない。マリヤ。あなたは神から恵みを受けたのです。ご覧なさい。あなたはみごもって、男の子を産みます。名をイエスとつけなさい。その子はすぐれた者となり、いと高き方の子と呼ばれます。…
                       ルカの福音書1章26節~38節

 

クリスマスは主イエス・キリストが誕生された日ですが、そこには救い主がお生まれするにあたって多くの人々が関わっていました。御使いのガブリエルが結婚を控えたマリヤのもとへ訪れ、イエスの誕生を知らせます。またこの6ヶ月前には(ルカの福音書1:1~25)洗礼のヨハネの誕生が並行して語られています。ヨハネの父であるザカリヤとその妻エリサベツには子どもがいませんでしたが、マリヤと同様ガブリエルによって男の子を産むと知らされたのです。この2つの物語を通して私たちはクリスマスを迎える心の備えをしていきましょう。

 

1.イエスの誕生を知る

単にクリスマスの物語を知っているという知識だけで終わるのではなく、本当の意味でイエスの誕生を知る、つまり御使いからの良い知らせ“福音”を聞き、受け入れようではありませんか。ルカ1:19では御使いはザカリヤに言います。「私は神の御前に立つガブリエルです。あなたに話をし、この喜びのおとずれを伝えるように遣わされているのです」。人間が理解できるようにと、人の言葉で話をし、知らせに来た御使いがいるのであれば、それを聞いた私たちは、きちんとその福音を知らなければなりません。福音はただ神からのお言葉ではなく、私たちの人生においての重要なニュースなのです。

 

2.備えるべき事柄

ガブリエルは、マリヤとザカリヤに対して男の子が生まれることを伝えに来ただけではありません。ザカリヤには子どもにヨハネとつけよと言われ、またマリヤには31節「名をイエスとつけなさい」と命じたのでした。その名は、ユダヤ人の言葉で“神が民を救いたもう”という意味です。その名の通り、イエスを通して現代まで救いが広がっています。マリヤは御使いが言われた通り誕生まで備え、その名をつけたのです。その名を信じる者は神の子となる特権が与えられています。

 

3.神の御業を受け入れる

ガブリエルから知らせを聞いた時、マリヤはどうしてそのようなことが起こり得るのか尋ねます。御使いは、35節「聖霊があなたの上に臨み、いと高き方の力があなたをおおいます…神にとって不可能なことは一つもありません」と断言します。その言葉を聞いたときマリヤは素直に受け入れました。
一方、ヨハネが与えられると聞いたザカリヤは、御使いの言葉を信じきることができませんでした。御使いの言葉を信じられないということは、つまり神が与えてくださった約束を信じられないということに結びつきます。確かに神は恵みを与えて下さいます。しかし、その恵みを受け取るということは「信じる」ことから始まります。この世の法則では不可能なことさえ、神にはできるのです。主を信じる時、私たちは救われ新しく造り変えられるのです。
ただクリスマスを眺めて終わるのではなく、主のグッドニュースである福音を知り、受け入れる心の備えをし、神に不可能はないと信じるならば、あなたやあなたの愛する人の上に、神の御業は必ず起こるのです。